大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉 篇]

2013年、最初に見た映画は「大奥」です。
a0105396_13434470.jpg


母も私も、よしながふみの原作のファンなので、
さっそく観に行ってきました。
(年末は忙しくて行けなかった…)

2009年の吉宗の映画化はなかなかの出来でしたが、
個人的に1番好きな「家光」のドラマも良い仕上がりで、
そのぶん、この綱吉の映画化には期待をしておりました。
配役も私好みだし。

それにしても、
「慈愛の有功」と「野心の右衛門佐」を、
両方堺雅人にさせようと決めたセンスに脱帽。
誰がキャスティングしたのか知りませんが、良い目をお持ちだ。

2009年の映画も、今回のドラマ&映画も、
ビックリするくらい原作のストーリーを大事にしていて、
その脚本家の姿勢もあっぱれだと思います。

1番私の心に残ったのは、
将軍付きお犬様の狆が最高に賢かったことだけどね(笑)

同じペチャでも、我が家の誰かさん達とはエラい違いです。



まずはテロップで設定の説明が流れます。

江戸時代。
20歳以下の若い男子のみが発病する死の奇病[赤面疱瘡‐アカヅラホウソウ‐]により、
男子の人口が激減した。
江戸城でも三代将軍家光が赤面疱瘡にて死去。
家光の娘が女将軍として立ち、以後、男女の役割が完全に逆転した世の中となっていく。


そして時は元禄時代へ。


五代将軍徳川綱吉(菅野美穂)は、3代目の女将軍として権勢を振るっていた。

綱吉の父:桂昌院(西田敏行)は、その昔、家光の側室であったお玉の方。
綱吉とともに栄華をほしいままにしていた。

江戸城大奥での窮屈さと、世継づくりという責務から逃れたい綱吉は、
御側用人・柳沢吉保(尾野真千子)の提案で、
御側用人・牧野成貞(市毛良枝)の屋敷へ出かけ、能を見物した。

牧野は綱吉のために、若い男を何人も用意していたが、綱吉は、
綱吉が館林の宰相時代に関係を結んでいた牧野阿久里(榎木孝明)を
寝間の相手に指名。
断り切れず、阿久里は綱吉と行為に及び、
成貞と息子夫婦は声を殺して泣き、屈辱に耐えるしかなかった。

以後、綱吉は牧野邸を頻繁に訪問し、阿久里を指名。
妻・成貞は耐えきれず、心を病んで自害し、心労で衰弱した阿久里も亡くなり、
阿久里に似ていると言って、代わりに綱吉の相手をすることになった息子も、
相次いで亡くなった。

綱吉には「松姫」という娘が1人いた。
父親は側室・御伝の方(要潤)。
御伝の方は黒鍬者の出で、桂昌院のお気に入りだった。

京都の公家出身で綱吉の正室・御台所信平(宮藤官九郎)は、
側室に先に子どもができてしまったことから、大奥の中で影が薄くなっていることを嘆き、
京の都から若い男を呼び寄せ、側室にすることで、
自分の地位を確立しようと計画していた。

白羽の矢が立ったのが、貧乏公家の右衛門佐(堺雅人)。

右衛門佐は没落公家の水無瀬氏信(由紀さおり)の長男で、
毎晩、母の命じるままに、金持ちの女に身体を売っては、家計を支えていた。

大奥に入ることで、そんな地獄の日々から抜け出した右衛門佐。


真っ先に挨拶に来るはずなのに、2日たっても3日たっても右衛門佐が現れず、
怒り狂う桂昌院。
そこに、ようやく現れた右衛門佐の顔は、かつて自分が仕えていた、
拉致されて大奥に入れられたものの、家光と愛を育んだ有功(堺雅人2役)に酷似していて、
衝撃をうける。

右衛門佐は、この3日間桂昌院ゆかりの寺を参拝してきた、
その寺の石畳は見事で、京にもそんなに立派なものはない、と語り、
西陣織の袈裟を贈り、桂昌院を黙らせることに成功。

教養のある右衛門佐は、大奥内で論語の講義をするなど、
皆の心を掴んでいった。

噂を聞いて、綱吉が右衛門佐に会いに来る。

右衛門佐を気に入った綱吉は、御台所に彼をくれるよう頼むが、
右衛門佐は、今年自分は34歳になる、
大奥では35を過ぎた男は御褥すべりをせねばならないとされているため、
寵愛をいただいても、それは一時のことであるから、と、
側室になることを辞退する。

驚く御台所。

益々右衛門佐が気に入った綱吉は「それでは何が望みだ?」と問う。

そして右衛門佐は、有功以来、長く空席だった「大奥総取締」に就任する。

初めから側室ではなく、これを狙っていた右衛門佐の才に惚れた秋本(柄本佑)は、
彼に引き抜かれ、部屋子として仕えることになる。

右衛門佐は綱吉に、御伝の方に世継の父に相応しい御殿を作ることをを進言し、
御伝の機嫌を取ると同時に、大奥から遠ざけることに成功。

着々と意のままに権力を固めていく右衛門佐に吉保は、
「どのようにして上様にその地位をねだったのか?いつ寝たのか?」
と強く問い詰めるが、右衛門佐は、
「上様の気まぐれによるものでしょう、誓って夜伽はしていない」
と追及をかわす。

かねてから桂昌院と関係を持っていた吉保は、
桂昌院と協力して、京から新たに若い男を呼び寄せ側室にし、
右衛門佐の権力を削ごうと画策、大典侍(桐山漣)を奥入りさせるが、
実はこの大典侍、影で右衛門佐と繋がっており、桂昌院たちの計画は失敗に終わる。

そんな時、松姫が突然の高熱により死去。

失意に暮れる綱吉は、吉保に縋りつき号泣するが、
「世継を作らねば…」と、取り憑かれたように毎晩男と床をともにするようになる。

桂昌院は実績のある御伝の方に、再度子作りに励むよう命じるが、
我が子を亡くした悲しみは綱吉以上に深く、まったく頼りにならない。

大典侍との間にも子はできず、右衛門佐は新たに京から男を呼び寄せる。
新しく大奥入りした新典侍(竜星涼)は綱吉のお気に入りとなるが、
やはり懐妊の兆しは一向に見られなかった。

綱吉に次の世継を生ませるのは誰か。

自分の息のかかったものを次期将軍の父にしたいと、
桂昌院と右衛門佐は、次から次へと趣向を凝らし、
綱吉に男を選ばせる。

庭で行われた騎馬戦にて、1番多く敵の鉢巻を取ったとして、
御半下ながら佐之助(満島真之介)が夜伽の相手に抜擢される。
突然の大役で、緊張して逃げ出そうとする佐之助に、
右衛門佐は瞼に「魔除け」の紅を塗ってやり、上様に気に入られるよう策を授ける。

御鈴廊下で、庭先で、綱吉は毎日男に声をかける。
その男たちに、あれこれと床の技術を指南する右衛門佐。
それでも解任の兆しはなかった。

業を煮やした桂昌院は、かつて自分が将軍の父になると予言した隆光(堺正章)の寺へ行き、
助言を求める。
隆光は、綱吉が懐妊しないのは、桂昌院が過去に行った殺生が原因だと告げる。

その昔、桂昌院(当時は玉栄:田中聖)は、
主君有功や自分に嫌がらせをする他の側室たちに報復するため、
家光お気に入りの子猫を殺し、それを側室の仕業にし、側室を切腹に追いやったことがあった。

それが綱吉が懐妊出来ない理由になっていると知った桂昌院は取り乱し、
綱吉のもとへ駆けつけ、泣きに泣いて詫び、
今後一切の動物の殺生を、自分たちはもちろん、民にも禁じようと提案。
綱吉は戌年の生まれだったため、特に犬は大切にせよという御触れを出させる。

犬を傷つけてはならぬ、という御触れ書きを見た途端、
処罰を恐れた民衆は一斉に飼い犬を捨て、町にも城の庭にも野良犬が大量。
蚊さえも殺す事が許されず、この「生類憐れみの令」に、
民衆は苦しみ、将軍への不満をつのらせていった。

御触れの馬鹿馬鹿しさを十分理解している綱吉は、
甲府宰相・綱豊を養子にしようとするが、
綱豊はかつて桂昌院のライバルだったお夏の方の孫にあたるため、
桂昌院は断固反対、何が何でも綱吉に子どもを産ませようと、
また男選びの宴を開くのだった。

宴によって選ばれたのは、中村(郭智博)と斉藤(永江祐貴)の2名。

3人での情事が済み、綱吉は、
「それではお前たち、私の前で睦おうてみよ」
と、2人に命じる。
宴の舞の様子から、綱吉は2人が恋仲であることを見抜いていた。

青ざめる中村と斉藤。
何度も頭をさげ、どんな罰でも受けるのでそれだけはご容赦をと願うが、
綱吉は笑い飛ばして、再度命令。
思い余って中村は、床の間の脇差しで自害を図るが、右衛門佐が阻止。

2人を下がらせ、右衛門佐は綱吉に問う。
生類憐みの令、今回の男たちへの辱め、将軍の力はそんなことをするために、
存在するものではないのでは?と。

綱吉は答える。
父は世継ができぬのを自分の娘のせいだとは思いたくないのだ。
父の気休めになるのなら、悪政を敷き、民に愚かと嘲られてもかまわない、と。

そして綱吉は泣きながら右衛門佐に叫ぶ。
私は毎晩添い寝の者に自分の夜の営みを聞かれてきたのだ。
自分の前でまぐわえといったことの、何が悪い。
私が若い男たちを喜ばせるために、どれだけ床の中で苦労をしてきたか、お前に分かるか?

ああ、松姫、なぜ死んだ…。

崩れ落ちる綱吉を抱きしめ、右衛門佐は自分の身の上話をする。
学問を身に付けても、必要なのは「いかに姫君を喜ばせるか」ということだけだったこと、
それでも毎日貧しくて、逃れたくて大奥に来て、綱吉に会い、
何とかこの女と対等に渡り合ってやろうとあの手この手で闘ってきたこと。

綱吉は、
愚かな将軍は臣下に殺されても仕方がないと孟子は言う。
右衛門佐、今なら私を殺せるぞ
と、目を閉じる。

右衛門佐は綱吉を強く抱き、唇を重ねようとするが、
ゆっくりと綱吉を寝かせ、床を整え、その場を後にした。

それから数日、綱吉は高熱にうなされた。

綱吉は熱にうなされながら、少女だった頃の夢を見る。

まだ若く純粋で、何をするにも吉保と一緒、毎日が楽しかったころ。
初めて自分を「美しい」と言ってくれた初恋の相手、阿久里が、
突然、牧野成貞との縁談で自分のもとを去っていった。

傷心の綱吉が吉保を探すと、
空き部屋にて情事に耽る、父と吉保の姿を目撃してしまう。

2人きりになった際、綱吉は吉保を問い詰める。
吉保は、桂昌院と関係を持ったのは保身のためでなく、
ただ、綱吉のそばにいたいがためであったと、必死に釈明する。
そんな吉保の足に短刀を突き刺し、
「ならば絶対に裏切るなよ」と綱吉は囁いた。

吉保の名を呼びながら、ふと目を覚ますと、枕元にいたのは父、桂昌院。

桂昌院は、
「すぐに吉保を呼ぶ。お前は安心して世継をつくることだけ考えれば良い。
政ごとなど老中に任せておけば良いのだ。」
と綱吉に告げる。

父が部屋を去った後、綱吉は1人、高らかに笑う。
その気がふれたような笑い声を聞いて駆けつけた吉保に、綱吉は叫ぶ。
「可愛そうな父上!若い頃から大奥に閉じ込められ、女の体のことなどご存じないのだ!」
そして綱吉は吐き捨てるようにつぶやいた。

「月のものなど、もう、とうに来ておらぬわ」


17年後。

御鈴廊下を歩く綱吉も、右衛門佐も老いた。
桂昌院は御伝の方の支えなしでは、今にも倒れてしまいそうな足取り。

右衛門佐は綱豊を養子にすることを勧めるが、
父上が生きている限りそれだけはできぬ、
幼い頃から無償の愛を注いでくれた父の機嫌を損ねることだけはしたくない、
と綱吉は受け入れない。

老いた身に鞭打って、今日も綱吉は夜伽をする。

今日の相手は浅沼(三浦貴大)、
突然、浅沼は隠し持っていたキリで、綱吉暗殺を謀るが、
そばに控えていた右衛門佐が、浅沼の腕を一刀のもとに切り落とす。

縛りあげられた浅沼に、誰の指図かと問い詰める綱吉。

浅沼は声の限りに綱吉を罵る。
悪政により、いかに世が乱れ、民が苦しんでいるか。
自分の許婚が野良犬にかみ殺されるのを、見ていることしかできなかったこと。
国中の者が将軍の死を願っている。
死ね綱吉!死ね!死ね!

浅沼は処刑され、疲れ切った綱吉は、
このまま右衛門佐の部屋で休みたいと言いだす。

子作りに専念しろと政を行うことも叶わず、
徳川の血を繋ぐこともできず、
将軍として女として、何一つ自分は残すことができなかった
と、寂しく笑う綱吉。

もう下がって良い、という綱吉に、右衛門佐は、
今あなたを1人にしたら、命を絶っておしまいになるでしょうと、退室を拒否。

「生きなさい、男と女というものは、ただ子孫を残すためのものではない」
と訴える右衛門佐に、嫌だ嫌だと泣く綱吉。

そんな綱吉を抱きしめ、ついに想いを打ち明ける右衛門佐。
一世一代の夢だったと、綱吉と関係を結ぶ。

右衛門佐は綱吉に言う。
子を成す以外に女人と褥をともにしたことのない自分には、
この夜だけが真の男と女の夜だった。
あなたとこうなったのが、今のこの皺だらけの老いた体で本当に良かった、と。

幸せをかみしめる2人。
綱吉の顔に、もう苦しみはなかった。

翌朝。

幕臣たちを集めた綱吉は、綱豊を養子とし、世継にすることを宣言する。

桂昌院は綱吉の打ち掛けにすがり、泣きながら反対したが、
それでも綱吉の心は変わらなかった。

綱吉の化粧を直す吉保。
綱吉の心を動かし、綱吉の心を奪われた吉保は、
綱吉を絞め殺そうとするが、愛する綱吉の息の根を止めることはついにできなかった。

裏切ることなく、常に忠実に自分に従ってきた吉保をも捨て、
綱吉は右衛門佐に会いに行く。

右衛門佐の部屋には秋本がいた。

だんだん近くなる足音と衣擦れの音。

「右衛門佐様、最愛のお方がもうすぐ参られますよ」
秋本の前の布団には、安らかに息を引き取った右衛門佐が横たわっていた。



そして冒頭と同じくテロップにて説明が流れます。

右衛門佐が亡くなった翌年、桂昌院も死去。
綱吉の晩年は穏やかなものであったが、
間もなく麻疹にかかり死去。

それにともなって柳沢吉保は隠居し、江戸城を去り、
後を継いだ家宣(綱豊)によって、生類憐みの令は廃止された。

***********************************

うーん、原作そのまんまな印象的なシーンはよく覚えているんだけど、
ラストがイマイチ思い出せない…。

大筋は間違ってないと思うんだけど(^^ゞ

原作では右衛門佐の死後、久しぶりに御台所が登場し、
寝ている綱吉を殺そうとして吉保に見つかり失敗、
誰もいなくなった後、今度は吉保が濡れた手拭いを綱吉の顔にかぶせ、殺害。

という終わり方だったんだけど、そうなると、吉保が主人公になっちゃうからね。

浅沼の腕を斬り落とすのも原作では秋本ですが、
あのシーンは印象的なので、確かに右衛門佐にした方が良いよね。

ついでに言うと、原作では途中に忠臣蔵の一件が盛り込まれ、
それがさらに幕府や綱吉の権威の失墜に繋がるんだけど、
まあ、そんなところまで描いていたら、3時間を超える超大作になっちゃうし。

でも、本当に原作を大事に、忠実に描いていただけて、
ファンとしては有難い限りです。

そして、相変わらず堺雅人が微笑みひとつで喜怒哀楽を演じ、
これ以上ない右衛門佐でありました。

老いた2人がとうとう結ばれるシーン。

顔や髪は当然「老いメーク」で老けさせているのですが、
首から下はさすがに「老い」させられなかったらしく、
菅野さんの背中はとっても美しく、
溜め息が出るくらい、素敵なシーンでした。

家光のドラマの時から思ってたんだけど、
堺雅人の手(というか、手の愛撫?)は、最高のエロスですね(笑)

あんなふうに愛されたら、
例え手だけであっても、失神しちゃいますよ(●^o^●)

はあ~、うらやましい。
[PR]

by kyonmo | 2013-01-09 23:59 | お芝居 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://kyonmo.exblog.jp/tb/17198794
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]