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父との別れ7

15日のこと。

前日までの天気がウソのように、朝から雨が降っていて。
これがいわゆる「涙雨」か…と感慨に浸るものの、
通夜が始まるまでにはやんでくれと切に祈る。

この日の私の朝の仕事は、施設にいる祖父を迎えに行くこと。
祖父は私のことを忘れちゃってるので、誘拐犯にならないよう事前に担当者さんには
母からよくよく伝えてもらいました。
「おじいちゃん、帰ろ~」「お前さん、誰じゃ!わしをどこに連れてくんじゃ!」
なーんてことになったら最悪ですしね(>_<)

施設に着いたら、祖父は友達?とワイワイ談笑中で、
終わるのを待とうかと思ったのに、介護士さんが「〇〇さんお孫さんよ!」と、
会話に割って入ってしまい(たぶん、忙しかったから早く引き渡したかったんだろうな…)、
「〇〇(祖父)さん、ちょっとお孫さんと家に帰りましょ~」と介護士さんが言うと、
「ええっ!?良いんですかいな?!」と超ビックリした祖父。
今まで何度も帰りたい帰りたいと言ってるのに、ダメダメ言われてきたから、
すっごく嬉しかったんだと思います。

洗濯物や薬を受け取り、外泊届を書き、私の車に乗ってもらうと、
いつもの車(母の車)と違うので、ちょっと不審げな祖父。
なぜだか私が孫だと言うのは分かってくれたようで、会話が続けば上機嫌に。
「みんな元気かいな~」
「おばあちゃんの顔がはよ見たいなぁ」
「この辺は全然変わってないな~」
と、ルンルンで話す祖父に、お父さんの葬儀のために帰るんだよとは言いだせず、
実家に到着してしまいました。

「か~えりましたよ~♪」とニコニコと家に入る祖父を、怪訝な顔で迎える祖母と母。
こそっと「ごめん、まだ話してない」と私が言うと、
「おじいちゃん、ちょっとこっちへ」と祖母が祖父を父のもとへ連れて行きました。
記憶が混乱してしまった祖父。
久々に会ったミーナさんを膝に抱いて、
「ミーナが帰ってきたらMくん(父のこと)が死んでしまって、なんということだ」
と、繰り返す。
自分が家に帰ってきたというのが理解できないらしい。

久々に家に帰った祖父。
目についたものを、手当たりしだいに片付け出す。
大事な書類やご近所さんへのメモ、香典袋などなど、行方不明が続出。
社長(母)と秘書(兄)、大パニック。
祖母はブチ切れ、「ホームに帰れ!!」と怒鳴りつつ祖父と大ゲンカ。
どうせ外に出てないんだから、祖父の仕舞いそうなとこなんてたかがしれてます。
すべてお茶汲みOLが謎を解いてあげましたとさ(*^_^*)
この時点で臨時介護ヘルパーに任命される。

いったんアパートに帰り、エルハウスと共にエルを実家の2階に移動。
見知らぬところだから大人しくしてくれるかな?と思いきや、鳴くわ吠えるわ大暴れ。

17時から通夜が始まり、ありがたい読経を聞いていると、
南無妙法蓮華経~に合わせて、「ウォウ!ウォウ!ウォウ!ウォウ!」とかすかに聞こえてきます。
チーンとかゴォーンとかポクポクポクポクの時は黙っているのに、
和尚様の声には反応するエル。
まさか2階に犬がいるとは誰も思わなかったでしょうから、良かったですけど、
通夜ぶるまいもそこそこに、ダンナさんに速攻で連れて帰ってもらいました。

全然しめやかに営まれなくて、ごめんね、お父さん(>_<)

つづく。

by kyonmo | 2009-07-23 20:09 | シゴト | Comments(2)

Commented by asuka_ibuki at 2009-07-23 22:25
おじいちゃま・・・^^;
でも最後にお父様の事が分かって良かったですょ。
間違えたのがミーナさんでね^^;;
でも痴呆って本当に怖いですね・・・家族や常識が分からなくなる
なんて 私がそうなったらと思うと本当に怖いです。
きょんサマもエル嬢も お父様の事分かってたんじゃないですか?
ハイジと先代のみるくは 姑の通夜・葬儀で丸二日お留守番でし
たけど(泊まりで留守にしたの) 帰ったらいい子で 迎えてくれて
悪さもしてなくてビックリでしたょ!全部屋開け放して出かけたのに
ゴミ一つ荒らしてなかったです・・・大変なのを理解したのかな?
って話してましたょ^^ 先代みるくは悪さの名人だったんです^^;;
お父様も絶対に分かってくれてますょ~それだけ大変な思いを
させてすまないね~って 笑ってますょ^^
Commented by kyonmo at 2009-07-24 16:54
>asukaさん 先代みるくさんの爪の垢を、ぜひエルに飲ませたかったですよ(T_T)
きょんサマは異変を感じたのか、黙って留守番してくれたんですけど、
エルのことだけは苦労しました…。
留守番は真っ先にできるようにしとかなきゃダメですね(>_<)
父は自分がガンになったのは祖父のせいだと言うくらい祖父を嫌っていたので、
さぞ複雑な思いで見送られたと思いますわ。
なんだかんだで祖父は幸せな世界に生きているのだと思います。